ソメイヨシノやはり単一種 国立遺伝研DNA調査
同じ系統に見えるのに別の名前で呼ばれるなど品種に混乱があったサクラについて、森林総合研究所(茨城県つくば市)、国立遺伝学研究所(静岡県三島市)などは9日までに、DNAの特徴を調べて分類を整理し公表した。
両研究所や新宿御苑(東京)などに集められた200品種以上、1850本を調査。その結果、同一とされてきたソメイヨシノや「八重紅枝垂」「御車返(みくるまがえし)」はやはり単一の品種だったものの、一つの品種とされていた「枝垂れ桜」「寒桜」「奈良の八重桜」は、実際は複数の品種が混じりあっていた。
これまで別品種とされてきた「江戸」「糸括(いとくくり)」「大手毬(おおてまり)」「八重紅虎の尾」は実際は一つの品種、「太白(たいはく)」「車駐(くるまどめ)」「駒繋(こまつなぎ)」も同一の品種と分かった。
発表によると、サクラは野生種を基に室町時代から品種改良が繰り返された。枝を切り取ってほかの株に接ぎ木する方法や、直接土に挿し木をする方法が採られたためDNAの特徴が同じクローンが増えた。ただ、長い年月の間に枝の取り違えが起こって品種が混乱した恐れがあるという。〔共同〕