みずほ銀システム障害、未処理決済44万件に拡大
17日中の処理は難しく
みずほ銀行は16日夜、2日連続で発生したシステム障害によって、顧客から依頼を受けた振り込みなどの未処理決済が44万件に拡大したと発表した。15日時点の38万件から6万件増えた。金額も4900億円から5700億円に膨らみ、17日中にすべて処理を終えるのは難しい状態だという。
原因は調査中だが、夜間の決済取引機能に不具合が生じているという。銀行は深夜から早朝にかけ、システムを集中的に動かして翌日分の給与振り込みなどを処理している。この取引のうち8割程度しか処理できておらず、16日夜時点で完全復旧のメドは付いていない。
同行は夜間のシステムへの過度な負担を避けるため、16日午後3時ごろから17日午前9時までATMやインターネット経由の振り込みなどの受付を停止。外国預金取引も15日から休止している。15~16日は営業開始直後から窓口業務を一時停止したが、17日は通常営業を目指すという。
同行によると、システム障害は2002年4月の旧3行の統合時に起きたトラブル以来の大きな規模という。当時は約1カ月の間、公共料金などの引き落としが最大250万件処理できず、ATMの一部機能も停止した。資金決済が遅れた企業などから賠償金の請求が相次ぎ、金融庁が業務改善命令を出した。
東日本巨大地震や東電の計画停電によって国内銀行は決済システムなどを万全な体制で運営することが求められている。経済活動が動揺する中での大規模なシステム障害の発生は銀行への信頼感を揺るがす事態だ。