クライスラーとフィアット統合、CEO示唆 米メディア報道
【ニューヨーク=小高航】米クライスラーと伊フィアットの最高経営責任者(CEO)を兼務するセルジオ・マルキオーネ氏は4日、両社が今後2~3年で経営統合する可能性を示唆した。米メディアが報じた。フィアットは現在、クライスラー株の25%を保有。出資比率を徐々に引き上げ、提携効果の増大を狙う。
米サンフランシスコで講演したマルキオーネ氏は記者団に「(両社が)1つの会社」になる可能性を示唆した。経営統合にはクライスラーが米政府から受けた救済資金の全額返済など多くの課題が残るが、同CEOは中長期的な目標として統合を視野に入れているとみられる。
クライスラーは2009年に法的整理を申請。政府資金に加えフィアットからの資本参加を受け経営再建を進めている。10年通期では営業黒字化を果たしたが、救済資金への利子負担が重く最終損益では赤字が残っている。同CEOは年内にも政府資金を返済する意向を示している。