インド新車販売、10年度300万台超 スズキは30%増
【ニューデリー=岩城聡】インド自動車工業会(SIAM)が8日に発表した2010年度(10年4月~11年3月)の新車販売台数(乗用車・商用車合計、メーカー出荷ベース)は、前年度比28.7%増の319万6829台となり、初めて300万台を突破した。3月の販売も前年同月比21.2%増と高水準を維持したが、先行きについては金利上昇や原材料価格高の影響を懸念する声が出ている。
10年通年(1~12月)の販売台数は09年比34%増の約304万台。今回、年度でも300万台の大台に乗せた。10年度の販売実績の内訳は乗用車が29.2%増の252万421台で過去最高を更新。商用車は27%増の67万6408台だった。
メーカー別の乗用車販売では最大手のスズキが約30%増の約113万3000台(シェアは約45%)。2位の韓国・現代自動車は約14%増の約35万9000台にとどまり、3位の印タタ自動車(約23%増の約35万2000台)の追撃を受けている。
11年3月の新車販売も前年同月比21.2%増の32万3529台で、単月として3カ月連続で過去最高を更新した。欧米では日本の東日本大震災で日本からの部品調達に影響が出ているが、スズキの現地法人マルチ・スズキは「現時点では生産に影響はない。日本から生産調整の指示もない」としている。
市場拡大についてSIAMは「所得増と自動車の品質向上が需要を押し上げている」と分析するが、11年度は「10年度ほどの伸び率は期待できない」としている。国内での鉄の供給不足などが車両価格をさらに押し上げると予想。利上げに伴い、今後、車のローン金利も上昇して販売に影響する可能性も指摘した。
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