福島第1原発、冷却電源復旧急ぐ 放水も継続
深刻な状態が続く東京電力福島第1原子力発電所で、使用済み核燃料プールへの放水作業が再開された。自衛隊が18日午後2時前、地上から3号機に放水した。東京電力は冷却機能を回復するための電源復旧を急ぐ。大量の放射性物質が飛散するという最悪の事態を避けるため、決死の作業が続く。
放水はヘリコプターによる上空からではなく、待機中の消防車両11台すべてを充てる予定。北沢俊美防衛相は18日の記者会見で「昨日(の放水)は一定の成果があった。きょうはさらに根本的な対応が必要だ」と強調した。
東京消防庁も18日未明、消防車両計30台を擁するハイパーレスキュー隊など30部隊(計139人)を派遣した。菅直人首相が石原慎太郎都知事に協力を要請。これを受け、東京都足立区の第6消防方面本部から出発、午前7時すぎに現地に着いた。
一方、原子炉を冷やす電源の復旧作業の進捗について、東電は18日午前、建屋での配線に着手したことを明らかにした。午後に発電所の外につながるケーブルまで接続するという。経済産業省原子力安全・保安院も「18日中に1、2号機に電源をつなぎたい。20日には3、4号機の電源も復旧したい」とコメントした。
17日に実施した放水作業では自衛隊の消防車5台とヘリコプターを使い、計約60トンの水を放水した。プールにどのくらい入ったかはわからない。
保安院は放水の効果を調べるため、原発周辺の放射線量を測定した。微減傾向にあるが、放水の成否は不明としている。 枝野幸男官房長官は18日の記者会見で、原発から半径20キロ圏内を圏外退避、20~30キロ圏内を屋内退避としていることに「現時点では適切」との考えを改めて示した。
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