米原子力委幹部、福島原発「状況は安定していない」
【ワシントン=岩本昌子】米下院エネルギー・商業委員会の小委員会が6日に開いた福島第1原子力発電所の事故に関する公聴会で、米原子力規制委員会(NRC)のバージリオ副局長は「状況は安定していない」と証言した。ただ、NRCのクール上級顧問は、「放射線の状況は次第に良くなっている。放射線量は減少してきている」と証言。「現時点では、原発周辺地域は安全。日本の一般市民に危険を及ぼす可能性はない」と語った。
バージリオ氏は、原子炉の炉心が過熱状態になる危険性について「ある」と明言。炉心の冷却状況に関する情報から、「炉心が水に覆われている時といない時がある」と分析。「覆われていない時には過熱の危険性がある」と述べた。また、米ダウ・ジョーンズ通信によると、公聴会後記者団に対して、「事故後これまで、どの原発炉でも炉心が格納容器から溶けて出たとは考えられない」と語った。