都の性描写規制条例が成立 「不健全図書」範囲拡大へ
18歳未満へ販売禁止
過激な性描写のある漫画などの販売方法を規制する東京都の青少年健全育成条例改正案が15日の都議会本会議で民主、自民、公明の賛成多数で可決、成立した。改正条例のうち18歳未満への販売を禁じる不健全図書の範囲を広げる規定は、来年7月以降に発行される書籍に適用される。
本会議では、改正条例の慎重な運用を求める付帯決議も可決された。主要会派のうち共産と生活者ネットワークは改正案に反対した。
新たに18歳未満への販売が禁じられるのは、強姦など社会規範に反する性交などを不当に賛美・誇張する描写があり、健全育成を妨げるおそれがあるとして都知事が指定した図書。書店などは一般の本と分け、成人コーナーなどに置かなくてはならない。
条例改正案は今年3月に議会提出されたが、6月に民主などの反対多数で否決。都は分かりにくいとされた「非実在青少年」の用語を削るなどした改正案を再提出した。
条例改正には出版界や漫画家の間で根強い反対があり、有力出版社が都などが主催するアニメ見本市への参加拒否を表明するなど波紋が広がっている。