光回線接続料、3年で3割下げ NTTが認可申請
NTT東日本と同西日本は21日、光回線を他の通信会社に貸し出す際の接続料を2011年度から3年かけて27~31%引き下げると発表した。同日総務省に新料金の認可を申請した。引き下げ幅は過去最大で、接続料が下がれば他社のサービス価格も下がる可能性がある。光回線を使ったブロードバンド(高速大容量)通信の普及に弾みがつきそうだ。
NTT東西は電話局や電柱など電電公社時代の設備を持つため光回線で先行している。このため「フレッツ光」など自社のサービスを提供する一方で、決められた接続料で他社に貸し出す義務がある。現在接続料は光ファイバー1単位当たりNTT東で月額4610円。これを11年度に9%減の4194円。12年度に23%減の3568円、13年度に27%減の3380円にする。
西日本は現在4932円を11年度に3%減の4784円、12年度に7%減の4578円、13年度に31%減の3426円に下げる。総務省は25日の情報通信行政・郵政行政審議会に諮問し、年度内に新料金を認可する方針だ。
記者会見したNTT東日本の中川裕取締役は「原価である接続料が下がることでユーザー料金の値下げにつながる」と話した。NTT東西は接続料引き下げを機に、自社サービスの基本料を現在より4割安い3000円前後にし、どんなに使っても5800円程度で収まる新料金を検討中。5月にも実施する方向だ。
光回線市場でNTT東西が提供するフレッツ光のシェアは現在75%を占める。NTT東西から回線の貸し出しを受けて一般ユーザーにサービスを提供しているのはKDDIなど一部にすぎない。ソフトバンクは09年に光回線サービスから撤退し、フレッツ光の販売代理店をしている。
KDDIは北海道や宮城県など全国4道県でNTTから回線を借り「ギガ得」などのサービスを提供している。同社は「接続料が下がることは歓迎。ユーザー料金を引き下げるかどうかは未定」としている。関西地域で独自に光回線を引いてサービスしている関西電力子会社のケイ・オプティコムは「NTTの接続料が引き下がって参入企業が増えるのは脅威だが、市場全体のすそ野が広がる効果もある」としている。
関連企業・業界