着工ダム建設中止 大阪の槙尾川、橋下知事が決定
大阪府が建設中止か継続かを検討している槙尾川ダム(和泉市)について、橋下徹知事は15日の府幹部会議で、ダム建設を中止して河川改修工事による治水対策に切り替える方針を決定した。いったん着工したダムの建設中止は全国でも異例という。地元住民は「ダム以外は安全ではない」と強く反発。工事では一部家屋の移転が必要で、住民の同意を得られるかは不透明だ。
橋下知事は15日夜、記者団に「住民に迷惑を掛けたことは率直に謝罪しなければならないが、とことん考え抜いた末に(知事として)大阪全体の意思を踏まえた判断をしたことも尊重してほしい」と語った。今後、現地で地元住民に説明する意向も示した。
知事は会議に提出した資料の中で、府の専門家委員会が再検証した結果、河川改修案(経費約80億円)とダム案(同約108億円)は「治水効果の面で五分と五分だった。治水工学上はどちらを選択しても合理的といえる」と指摘した。