スペイン格下げ、追加資本注入を不安視 米ムーディーズ
1段階下のAa2
【ロンドン=松崎雄典】米格付け会社、ムーディーズ・インベスターズ・サービスは10日、スペインの信用格付けを1段階引き下げ「Aa2(ダブルAに相当)」にすると発表した。格付けの先行きも「ネガティブ(弱含み)」とした。
ムーディーズは2010年12月に格下げの検討を開始していた。同社は銀行に対する追加の資本注入が必要になるとの見通しに加え、地方政府の財政再建の遅れを格下げの理由に挙げた。
具体的には、スペイン国内に17ある地方政府のうち半数以上の9政府で10年に掲げた財政赤字削減の目標を達成できなかったと指摘。財政規律の悪化を中央政府が統制できていないとの認識を示した。
スペイン格下げの情報が伝わり、10日のロンドン外国為替市場ではユーロがドルに対して小幅反落した。一時、前日終値に対し0.01ドル強下落し、1ユーロ=1.37ドル台後半を付けた。