リビア政権、東部の要衝を奪還 反体制派の本拠へ進撃
【ドバイ=太田順尚】リビア中部と西部をほぼ掌握したカダフィ政権は15日、反体制派の本拠ベンガジを防衛するうえで重要な東部の要衝アジュダビヤを奪還した。反体制派は本拠での攻防を余儀なくされ、極めて劣勢に立たされている。最高指導者カダフィ大佐は「我々は敵を壊滅させる」と述べ、ベンガジに向けて進撃を開始したもようだ。
政権側は同日、戦闘機や戦車でアジュダビヤに攻撃を加え、国営テレビは敵を一掃したと報道。反体制派は同都市の支配権喪失を否定しているが、政権側が実質的に奪還したとみられる。政権側は、同都市の北方約150キロに位置するベンガジに向けて進撃を始めたとみられる。
カダフィ大佐は同日、首都トリポリで支持者を前に演説し「(反体制派の蜂起が)外国の陰謀であれ国内の陰謀であれ壊滅させる」と述べ、「リビアの人民は勝利する」とベンガジ攻略への強い自信を強調した。また、外務省幹部は数日以内に主要都市の全掌握が可能との見通しを示した。
政権側は15日までに首都トリポリ西方のズワラを制圧。反体制派が掌握する都市は首都東方のミスラタと、東部のベンガジ、トブルクなどに限られ、劣勢が顕著になっている。