地デジ完全移行、被災3県で最長1年延期 総務省
総務省は20日、7月24日に予定されるテレビの地上デジタル放送(地デジ)への完全移行について、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手・宮城・福島の東北3県では最長で1年間延期すると発表した。予定通りに地上アナログ放送を終了すれば、被災地域で地デジ移行準備が間に合わずにテレビを見られなくなる人が続出する恐れがあった。
地デジへの移行期限は電波法で定めているため、3県で最長1年間延長するための改正法案を今国会に提出する。ただ実際に延長する期間は1年間より短くなる可能性がある。3県以外の地域では予定通り7月24日に地上アナログ放送を停止し、地デジへ完全移行する。
現行のアナログ放送を継続することに伴ってテレビ局の費用負担が増えるため、総務省は財政支援策を検討するとしている。20日に記者会見した平岡秀夫・総務副大臣は「財政的に必要になるのは数十億円単位」との見通しを示した。
総務省が実施した調査によると、被災3県では巨大地震や大津波で地上デジタル放送の受信設備が被害を受けたこともあり、約6万世帯が未対応になっている。