シリア、半世紀ぶりに非常事態法を解除
【カイロ=花房良祐】シリア政府は19日、1963年に導入された非常事態法を半世紀ぶりに解除することを閣議で決めた。同法は治安当局に強力な取り締まりの権限を与えており、先月中旬からデモを続ける反体制派が解除を求めていた。ただ同時にデモを制限する法案も承認しており、反発が続く可能性もある。
このほか政治犯などの罪を問う特別治安法廷の廃止も決定した。政府は譲歩することでデモ隊の懐柔を目指す。
一方、19日未明には中部ホムスの「時計広場」で数千人のデモ隊が当局と衝突、AFP通信によると4人が死亡した。時計広場には18日、食料を持参した約2万人が集まり、一部はアサド政権の退陣までとどまる姿勢を見せていた。
当局は翌19日未明、立ち退きを命じ、直後に治安部隊が広場に居残るデモ隊排除に乗り出した。国営通信は18日「イスラム武装組織がホムスなどで反乱を呼びかけている」との内務省の声明を報じた。