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政府が福島第1原発で緊急事態宣言 冷却装置の復旧急ぐ

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政府が東京電力福島第1原発で緊急事態宣言を発令し、半径3キロメートル以内の住民に避難指示を出した理由について、経済産業省の原子力安全・保安院は11日夜、記者会見をし、同原発1、2号機で「冷却機能が今後十分に働かない恐れもあるため」と説明した。地震による停電で冷却装置を動かす電源が得られないほか、非常用ディーゼル発電機も停止しており、緊急炉心冷却システム(ECCS)を動かすことができない状態になっている。

原子炉は地震直後に緊急自動停止しており、原子炉内の核分裂反応は停止している。ただ、崩壊熱と呼ばれる熱が出ており、冷却水で一定時間かけて冷やし続ける必要がある。

同原発では通常の冷却装置が停電で動かなくなったが、それをバックアップする隔離時炉心冷却系が駆動した。2号機では、このバッテリーが想定されていた時間よりも早く切れたが、電源車が現地に到着し、同システムの復旧を試みている。

原発の安全性は何重にも保たれるように設計されており、最後の手段とされるのが、原子炉に大量の水を投入することで強制的に冷却するECCS。同装置はディーゼル発電機で働くが、同原発ではECCSが働かない状態だ。

現在動いている冷却装置で水をまわし続ければ、「設計上は燃料が露出するなどの問題は起きない」(保安院)としているが、原子炉になんらかの被害が出て水が漏れ出すなどの事象があり水位の低下が著しいと条件も変わってくる可能性はある。最悪の場合は放射能が漏れ出すなどの危険性もある。

一方、東京電力の福島第2原発では、外部電源が確保されており、1、3号機では、格納容器内の圧力が高まったため、ECCSが働いた。原子炉内の水位も安定している。

東北電力の女川原発では発電用のタービンがある建物から火災が発生し、消火作業中だが、放射性物質の漏れはないという。

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