リビア反体制派、武力に限界 離反の軍部隊は小銃が主力
【ドバイ=松尾博文】リビアでカダフィ政権打倒を目指す反体制派の装備は離反した兵士の銃などに限られ、圧倒的な火力を有する政権側に比べ大きく見劣りする。兵力7万6千人の国軍のうち、東部地域では大半が離反し、反体制派側についたとされる。彼らがもたらした武器は小銃など小火器が多く、武装した反体制派がトリポリに向けて進軍するなどの動きも出ていない。
「政権側は対戦車ロケット弾を撃ち込んできた」。トリポリ西部の要衝ザウィヤの市民は怒りを隠さない。ロイター通信によると、ザウィヤや首都東方のミスラタの攻防で、政府軍や大佐の親衛部隊は戦車や重火器を投入したという。
一方、大佐周辺の軍部隊は重装備を維持している。さらに、士気、装備ともに軍を上回るとみられるのが大佐の親衛治安組織だ。大佐と同郷の出身者などで構成する準軍事組織は複数存在し、装備も軍よりも充実しているとされる。
こうした治安組織は非武装の民衆デモにも無差別で銃撃を加えており、犠牲者が増える要因になっている。エジプトを訪問した米国のリーバーマン上院議員は27日、リビア暫定政権を承認し、武器を提供するよう米政府に求めた。