携帯ナビ、カーナビ特許を侵害せず 東京地裁
パイオニアの請求棄却
「携帯電話のナビゲーションサービスを自動車内で使えばカーナビに当たる」として、カーナビ大手のパイオニア(川崎市)が携帯ナビ事業者に対し、特許権侵害を理由に10億円の賠償などを求めた訴訟の判決が6日、東京地裁であり、大須賀滋裁判長はパイオニア側の請求を棄却した。
問題となったのは、ナビタイムジャパン(東京・港)が2005年からauの携帯電話向けに提供している「EZ助手席ナビ」。
大須賀裁判長は判決理由で、特定の施設を記憶させておくなどの携帯ナビの一部機能がパイオニアの特許の範囲に含まれることは認めつつ、判断の前提として「特許の対象となるカーナビは、一体機器として車に載っていることが必要」と指摘。
携帯ナビでは位置情報などのデータをやりとりするサーバーは車に載っておらず、データ通信をせずに機器単体ではナビ機能を果たせないとして「ナビ用の一体機器が車載されているとはいえず、特許権を侵害するとはいえない」と結論付けた。
パイオニアの話 判決内容を十分検討し今後の対応を決める。
ナビタイムジャパンの話 コメントは差し控える。