東京地検、特捜事件取り調べで初の一部可視化
東京地検特捜部が取り調べの録音・録画(可視化)を初めて実施したことが15日、関係者の話で分かった。業務上横領容疑で12日に逮捕した郵便事業会社(日本郵便)職員、櫛原也寸志容疑者(45)が可視化に同意。取り調べの全過程を録音する「全面可視化」ではなく、供述の確認や調書の読み聞かせなど一部を記録するとみられる。
東京・小菅の東京拘置所内の取調室に新たに設置された5台の録音・録画機材のうち、1台を使用したとみられる。櫛原容疑者は、顧客から郵便料金として受け取った小切手約2億4100万円を着服した疑いが持たれている。
元厚生労働省局長の無罪が確定した郵便料金不正事件を受け、最高検は特捜部が3月18日以降に容疑者を逮捕した事件で取り調べの録音・録画を試行する方針を公表。江田五月法相が今月8日、笠間治雄検事総長に全面可視化の実施を指示した。