ヤフー、11年3月期純利益10%増 14年連続最高益を更新
ヤフーが22日発表した2011年3月期連結決算は純利益が前の期比10%増の921億円だった。広告収入が伸び売上高、営業利益、純利益はともに14年連続で過去最高を更新した。東日本大震災を受け広告掲載の自粛の動きがあったが、影響は限定的だった。期末配当を30円増配し年間配当を318円とする。
売上高は同4%増の2924億円だった。検索連動型広告とサイト内に掲載する「ディスプレー広告」がともに伸びて、広告収入は1560億円と11%伸びた。リーマンショック後に落ち込んでいた不動産や求人など情報掲載サービスも回復。ネットオークション取扱高の落ち込みを吸収した。
震災の発生でニュースサイトを中心に閲覧件数が増えており、3月の総ページビューは546億件と前年同月に比べ17%伸びた。ただサイト上の広告掲載スペースを震災情報に切り替えたうえ、検索連動広告の閲覧数が落ち込むなどの影響が出た。有料会員への料金請求の見送りを含め、震災による減収要因は20億円弱となった。
決算発表の席上、井上雅博社長は「広告需要は戻りつつあり、震災で落ち込んだ影響は短期間に回復する」と述べた。同社は業績予想は次の四半期分のみ開示している。11年4~6月期は売上高が704億~739億円(前年同期比微減~5%増)、純利益は222億~236億円(同3~9%増)となる見通し。