ソニー個人情報7700万人流出の恐れ ハッカー攻撃か
【ニューヨーク=小川義也】ソニーは26日、グループ会社が米国を中心に展開するゲームや映画などのインターネット配信サービスにハッカーが侵入し、日本を含む世界で最大7700万人の登録会員の個人情報が流出したおそれがあると発表した。侵入されたのは、「プレイステーション・ネットワーク(PSN)」と「Qriocity(キュリオシティ)」。過去最大規模の個人情報流出につながる可能性があり、ソニーの経営戦略にも影響を与えそうだ。
流出したおそれがあるのは、同サービスに登録している会員全員分。会員は米国が中心で、アジアの約900万人の大半は日本人という。実際に流出した件数は不明。1人の利用者が複数のアカウントで登録できるため、登録会員数と実際の人数は一致しない。
流出した可能性があるのは会員の名前、住所、電子メールアドレス、生年月日、PSNやキュリオシティの会員IDとパスワードなど。会員が登録したクレジットカード番号については、「現時点で流出した証拠はない」としながらも、「可能性は排除できない」として、不審な利用記録や問い合わせなどに注意するように呼びかけている。
同サービスを手掛けるソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は利用者にクレジットカードの引き落とし履歴の確認や現在停止しているサービスの再開後はパスワードの変更を求めている。
ソニーの米国統括会社ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカ(SCA)によると、今月17日から19日にかけて、何者かがPSNとキュリオシティのネットワークに不法に侵入。一部の会員情報が改ざんされたことを発見したため、サービスの運用を一時停止して調査していたという。現在、外部のセキュリティー会社にも調査を依頼している。
PSNは、ソニーが家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)3」や携帯ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」など向けにインターネット経由でゲームを配信するサービス。2006年に始めた。
一方、キュリオシティはテレビなどに映画や音楽を配信するサービス。昨年、欧米で相次いで映画や音楽の配信を始め、今年1月には日本でもソニーのテレビ「ブラビア」向けに配信を始めた。
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