福島・飯舘村は政府要請で全員避難へ 高い放射線量で
東京電力福島第1原発の事故で、高い放射線量の数値が続いている福島県飯舘村に対し、政府が避難指示区域の拡大に備え、期間を設けて計画的に村民を避難させるよう要請したことが11日、分かった。飯舘村が明らかにした。
門馬伸市副村長は村議会災害対策特別委員会で「原則(村民)全員に避難してもらう。国は1カ月以内を目安に避難させてほしいとしている」と話した。
避難の理由として、放射線量が高いことや原発事故の収束に時間がかかることを挙げた。3歳未満の乳幼児の避難は早急に実施するという。
菅野典雄村長は「納得できないと国に話したが、国は『最善の努力をする』と言った。できるだけ安心した移動ができるように考えていきたい」と述べ、今後国や県と避難の具体的な計画を検討する考えを示した。
飯舘村は東京電力福島第1原発から北西に半径30~50キロ圏にあるが、一部が屋内退避区域の20~30キロ圏に入っている。村内の小中学校校庭の放射線量調査で最も高いところが毎時18.2マイクロシーベルトを記録するなど、周辺より高い数値が出ていた。
村の人口は約6500人で、すでに約千人が自主避難している。
現在、福島原発から20キロ圏内は避難指示区域となっているが、政府は同圏内について、退去命令など強制措置が可能な警戒区域とする方針を固めている。〔共同〕
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