福島第1原発、低濃度汚染水の海への放出終了へ
東京電力は9日、福島第1原子力発電所のタービン建屋などにたまった放射性物質による汚染水の除去準備を急いだ。汚染水をなくせれば原子炉冷却機能などの復旧作業がしやすくなる。汚染水の収容先となる集中廃棄物処理施設にあった低レベル汚染水は、10日に海への放出を終える予定だ。数日~1週間程度かけて施設を点検後、汚染水を移送する。
2号機の高濃度汚染水は約3万トンが入る廃棄物処理施設のほか、タービン建屋内の「復水器」のタンクにも移す計画。復水器に入っていた水は9日午後1時すぎに別のタンクに移し終えた。空になった復水器に高濃度汚染水を10日に移送し始める。5、6号機付近の低レベル汚染水は約1300トンを9日午後7時ごろまでに海に放出した。
2号機の取水口付近から海に汚染水が広がるのを防ぐため9日に高さ8メートル、幅4メートルの鋼鉄製止水板の設置作業も始めた。1号機では格納容器の水素爆発防止のため、窒素の注入を続けている。
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