レアメタルが一段高 アンチモニーなど前月比13~14%
自動車などの生産に欠かせないレアメタル(希少金属)の価格が一段と上昇している。樹脂を燃えにくくするアンチモニーの国際価格は前月比13%高、超硬工具に使うタングステンは同14%高。主産国の中国の操業規制や生産者の売り惜しみが影響した。
アンチモニーは1トン1万5500~1万6千ドルと前年同期の2.4倍。昨年4月から中国湖南省で環境保護などを目的とする操業規制が続き、一部の生産者が操業を止めている。「売り惜しみで鉱石供給が減っている」(専門商社)との指摘もある。
タングステンは、指標となる中間原料のAPT(パラタングステン酸アンモニウム)が10キロ390~405ドル。欧米で超硬工具向けの需要が堅調に推移しているようだ。「欧米のトレーダーや中国の生産者が投機的に買っている」(商社)との見方がある。世界供給の8割を占める中国の産地が雨期に入るため、精鉱の供給が今後減る可能性もある。