工藤会会長宅など捜索 九電会長宅への器物損壊容疑
福岡市内の九州電力会長宅と西部ガス社長宅に爆発物が投げ込まれるなどした事件で、福岡県警は7日、九電会長宅の器物損壊と爆発物取締罰則違反(使用)の疑いで、暴力団工藤会(本部・北九州市)の会長宅や本部を家宅捜索した。両経営者宅では同じ時間帯に不審なバイクが防犯カメラに映っていたことも判明。県警は工藤会が両事件をほぼ同時に起こした疑いが強いとみて、押収物の分析や映像の解析を急ぐ。
捜索容疑は5日午前4時ごろ、福岡市東区にある九電会長の松尾新吾さん(72)宅に手りゅう弾のような爆発物を投げるなどして、車庫のシャッターや支柱のコンクリートを壊した疑いなど。
県警の捜査で、この時間帯に松尾さん宅近くの防犯カメラに、バイクが通り過ぎる姿が映っていたことが判明。西部ガス社長、田中優次さん(63)宅の事件でも、防犯カメラに5日午前4時ごろ、ミニバイクの不審者が何かを投げ込む様子が映っていたという。
県警は、発生時刻や手口が似ているほか、西部ガスや大手ゼネコンの関連先などが狙われた一連の発砲事件などと共通点が多いことから、いずれも工藤会が関与した疑いが強いとみている。
工藤会への家宅捜索は、2月の大手ゼネコンの工事事務所(北九州市)での発砲事件に続き今年2回目。捜査員160人態勢で、北九州市や福岡市を中心に関連先二十数カ所を捜索した。
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