物資輸送、自衛隊に一元化　ヘリなど活用

政府は16日、東日本巨大地震の被災地への支援物資の輸送を自衛隊に一元化し、本格的な運用を始めた。自衛隊が企業や市町村などから物資を都道府県ごとに受け取り、被災地に運ぶ。地震の影響で交通インフラに甚大な被害が出ているため、自衛隊ヘリなどを活用して避難所や孤立した被災者への物資輸送を急ぐ。

支援物資の届け出はまず、送り主が都道府県に連絡し、物資を集約する自衛隊の駐屯地や基地の指定を受ける。各都道府県の自衛隊施設に集まった支援物資は陸上自衛隊の仙台駐屯地（仙台市）や航空自衛隊の松島基地（宮城県東松島市）、山形空港（山形県東根市）などに運び、さらにヘリや陸路で被災地に届ける段取りだ。

物資は特定の個人に送り届けることはできないが、送りたい被災県を指定することはできる。食料品や水、毛布や衣服などの生活用品を受け付けるが、生鮮食品や消費期限が近い食品は受け付けない。

防衛省は東日本巨大地震の被災地や病院に向け、暖房用の灯油やガソリンなど燃料の搬送も始めた。全国の自衛隊の基地などに備蓄している燃料を活用。16日午後には陸自の多賀城駐屯地（宮城県多賀城市）から近くの多賀城東小学校▽多賀城市役所▽仙塩総合病院の3カ所に灯油・軽油を自衛隊車両で運び込んだ。今後搬送エリアを順次拡大する方針。部隊の活動に支障が出ないように政府が随時、燃料を補給する。