ファナックやコマツ急上昇 2010年時価総額ランキング
アジア需要つかむ 首位はトヨタ、9年連続
2010年末の東京証券取引所第1部の時価総額をランキングしたところ、トヨタ自動車が09年末より2兆3千億円近く減らしたが、9年連続で首位となった。機械など新興国事業が好調な企業が浮上した。第1部全体の時価総額は1%増の309兆円だった。
トヨタの時価総額は11兆1025億円。減少額も最大だった。円高で苦戦を強いられた輸出株の象徴となった。
順位を上げたのが通信株と銀行株。スマートフォン(高機能携帯電話)人気でNTTドコモとソフトバンクがそれぞれ3位、14位に上昇した。NTTドコモはNTTを抜き「親子」が逆転した。銀行株は増資一巡感などから秋以降に急回復した。
昨年より10以上順位を上げ上位20社に食い込んだのがファナックとコマツ。建機や工作機械が中国などアジアで好調で、円高の逆風を跳ね返した。
大型増資で株価が急落した東京電力や、たばこ値上げが響いた日本たばこ産業(JT)などが順位を下げた。資源高に悩む鉄鋼は新日本製鉄とJFEホールディングスの2社合わせて時価総額を約1兆円減らし、トップ20から姿を消した。