太陽電池、国内出荷2年連続で倍増 独に次ぎ2位浮上
2010年、99万キロワット 住宅用の拡大が寄与
太陽光発電協会が16日発表した太陽電池の出荷統計によると、2010年の国内出荷は発電能力ベースで99万1920キロワットと2年連続で前年比倍増となった。政府の補助策などが寄与し住宅用市場が拡大した。学校に大規模な太陽光発電装置の導入を促進する政策で公共・産業用も急増。市場規模はドイツに次いで、米国などと並ぶ2位の水準に達したもようだ。
住宅用出荷は前年比87.3%増の80万3470キロワット。09年11月に始まった太陽光発電の余剰電力を電力会社が割高な単価で買い取る制度が年間を通して寄与した。太陽電池の価格も09年は1キロワット当たり62万円程度だったのが10年は50万円台後半に低下。個人の購入意欲も高く、国内市場の約8割を住宅用が占めた。
公共・産業用は前年比3.6倍の18万4077キロワットに急増。補助金で学校のほか工場などにも太陽電池を設置するケースが増えている。
輸出は前年の1.6倍の144万5106キロワットとなった。輸出の7割弱を占める欧州では11年から各国が太陽光発電の導入支援策を縮小する方針を打ち出したため駆け込み需要があったようだ。オバマ政権が積極的な環境政策をとる米国向け販売も1.5倍と堅調だった。
国内出荷に占める海外メーカーのシェアは12.7%と09年と比べて1.8ポイント上昇。海外製品も国内市場で定着しつつある。
11年は国内出荷が引き続き伸びる見通し。欧州が伸び悩む可能性があるが、北米などで大型の設備導入が増えるため、世界市場も成長するとみられる。