具がおいしい カップ入りスープ
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調理したての食感 再現
寒い冬に飲みたくなるのが温かいスープ。中でも、お湯を注ぐだけでできるカップ入りが手軽だ。様々な具が入った商品が増えており、味も本格的になっている。専門家が実際に食べ比べて、具をおいしく味わえるものを選んだ。
具がたくさん入ったカップ入りスープが注目を浴びるようになったのは、2002年ごろから。春雨入りやショートパスタ入りの商品がきっかけだ。「食べるスープ」として定着し、具材は年々、多彩になっている。春雨やパスタに加え、おこげ、パイ、かた焼きそばなどを使った商品も登場している。
フリーズドライ技術の進歩も後押しした。湯で戻してもすかすかにならず、元の食材の食感をかなり再現できるようになり、「調理したてのような」(フードアナリストの藤原浩さん)食べ応えを楽しめるようになった。野菜や魚介類などをたっぷり使った商品が増えている。
スープの種類もおなじみの洋風や中華風のほか、エスニック風も増え、「外食でしか食べられなかったスープが手軽に味わえるようになってきた」(料理研究家の島本美由紀さん)。韓国風の1位と2位のスープ、タイ風の3位のスープはその代表ともいえる。
より体が温まるように香味材料を工夫する動きも活発になっている。1位のスープは体が温かくなるコショウ科の植物ヒハツのエキスを配合した。2位はショウガの成分に注目して開発。試食した専門家からも「本当に体がぽかぽかしてくる」と支持が高かった。「香辛料やショウガは血液の流れをスムーズにし、発汗作用もある」(料理研究家の上原悠子さん)ことから冬にぴったりのスープだ。
10位内に入った商品はいずれも味も本格的で、専門家からは「即席とは思えない味わい」といった声が多かった。軽い昼食のほか、夜食など小腹を満たすのには十分満足できそうだ。
低カロリーで食べ応え
カップ入りスープの特徴の一つがカロリーの低さ。20~30代の女性を主な販売対象としており、各社とも食べ応えがありながら、カロリーを抑える商品作りをしている。
大半の商品が百数十キロカロリー以下。一般的な食品と比べると、炊いた白米の茶わん1杯分(150グラム)が250キロカロリー前後、食パンが8枚切り1枚(50グラム)で130キロカロリー前後になる。カップ入りスープだけなら、カロリーをそう心配する必要はなさそうだ。
一方、塩分量は多くの商品で2グラム前後。揚げ麺のカップラーメンに多い4~6グラムより低く、市販の即席みそ汁と同じぐらい。容器に「食塩相当量」として含有量を載せている商品も多いので、気になる人は確認しよう。
調査の方法 スーパーやコンビニエンスストアなどで購入できる容器入りのスープで具材も多く入った商品が対象。専門家の推薦やメーカーへの事前調査で24商品を候補に選出。専門家に実際に試食してもらい、おすすめを選んでもらった。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。
池上正子(料理研究家)▽上原悠子(同)▽牛尾理恵(フードコーディネーター)▽木越敦子(フードアナリスト)▽島本美由紀(料理研究家)▽白木あきこ(サイト「追求!美食道」主宰)▽土屋敦(料理研究家)▽藤原浩(フードアナリスト)▽町田えり子(料理研究家)▽安井レイコ(同)
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