社民、対民主で「二刀流」 予算賛否はパイプ残す
2011年度予算編成を巡る与党との事前協議が不調に終わった社民党が、来年1月召集の通常国会を前に政府・与党との間合いを探り始めている。当面は予算案や予算関連法案への賛否をあいまいにしたまま、対話のパイプを残して影響力を行使する戦略をとる構えだ。
「辺野古への予算をつけるな、と予算委員会でも主張していく」。社民党の福島瑞穂党首は24日、普天間基地移設問題で、名護市辺野古の環境現況調査の継続に反対する考えを改めて表明した。
社民党は法人税率の引き下げにも反対。「政治とカネ」を巡っては、野党各党が求める民主党の小沢一郎元代表の証人喚問に条件付きで賛成する立場に転換するなど、表向き「反政府・与党」の立場を強めている。
一方で、参院での法案否決後の衆院再可決への協力を「カード」に、他の野党より菅政権に一歩近い立場も活用したい考え。民主党とは年明けから毎週、幹事長会談を開くことで合意済みだ。
社民党幹部は「与党の一員だと足元を見られる。予算案への賛否はギリギリまで態度を明らかにしないのが得策だ」と語る。ただ、沖縄の米軍普天間基地移設問題を巡る政府・与党との意見対立が解消するメドはなく「あいまい戦略」が奏功するかどうかは不透明だ。