田辺三菱子会社、品質試験せず薬出荷 厚労省が立ち入り
田辺三菱製薬(大阪市)の子会社が医療機関向け注射薬を出荷した際、品質試験の一部を実施していなかった疑いがあるとして、厚生労働省などは26日、同社子会社の栃木県内の工場に立ち入り調査した。同省によると、田辺三菱が24日に「子会社社員が試験を怠って虚偽の結果を記録していた」などと報告した。
同省は、薬事法違反に当たる行為があったかどうか調べ、違反が確認された場合は処分を検討する。
品質試験の一部を実施していなかったとみられるのは同社子会社の「田辺三菱製薬工場」(大阪市)。足利工場(栃木県足利市)で製造している医療機関向け注射薬について、担当社員が品質試験を怠っていた疑いがあるという。
問題の注射薬は「リプル注」「パルクス注」「リメタゾン静注」「パズクロス点滴静注液」の4製品で、いずれも医療機関向け。同省によると、健康被害の報告は上がっていない。
子会社社員については、田辺三菱の社外調査チームが事実関係を確認したという。田辺三菱を巡っては、同社と別の子会社が昨年4月、薬の承認申請で試験データを改ざんしたなどとして厚労省から業務停止処分を受けている。
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