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東電1都8県で計画停電 4月末まで、首相了承

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東京電力の清水正孝社長は13日夜会見し、14日から供給区域の1都8県を5つに分けて順番に電力供給を止める計画停電(輪番停電)を実施すると発表した。菅直人首相と首相官邸で会談し、了承を得た。対象地域では工場や一般家庭、通信設備への電力供給が止まるほか、道路の信号も機能しないことが予想される。私鉄など首都圏の鉄道の運行計画が大幅に乱れるなど、市民生活や経済活動に重大な影響を及ぼしそうだ。

東電が計画停電に踏み切るのは初めて。4月末まで実施し、その間に電力不足を解消する方針だ。だが、冷房需要が増える夏場には再度、計画停電を実施する。東日本巨大地震による原発の機能停止の国民生活への影響は長期にわたる見通し。

首相は記者会見で「国民に大変な不便をおかけする苦渋の決断だ。ガスや水道、医療機器の利用など様々な悪影響も考えられる。停電に伴う不安に万全の対応を講じて臨む」と語った。電力の需給バランスが崩れると域内全域で大規模停電に陥る可能性がある。「大規模停電が国民生活、経済活動に与える打撃は極めて甚大で、何としても避けなければならない」と理解を求めた。

東京電力が公表した計画では1都8県を5つの区域に分け、6時20分から22時まで順番に停電させる。1回の停電時間は3時間程度だが区域によって1日に2回、計6時間になるところもある。14日の最大電力需要4100万キロワットに対し、供給力は3100万キロワットにとどまる。需要ピーク時には2区域を停電させ、1000万キロワット分の需要を強制的に減らす。都心部では実施しない。

15日以降については前日夕までに停電計画を公表するとしているが、13日の発表でも対象区域名に間違いや重複があるなど混乱しており、正確に情報伝達ができるかどうか疑問視する声もある。

海江田万里経済産業相は記者会見で「電力の安定供給は国民生活の重要な基盤。国民の理解をお願いしたい」と呼びかけた。節電啓発担当相を兼務する蓮舫行政刷新担当相は記者会見で「国民一人ひとりが協力して節電することが大きな意味を持つ。なるべく早くアクションプランを策定し、国民に示したい」と述べた。

東京電力は津波の被害を直接受けていない千葉県や都内の火力の復旧を急ぐほか、定期点検中の火力の立ち上げを早め、4月中に火力を中心に1000万キロワット分の供給力を回復させるという。

東北電力も地震被害に伴う供給電力不足への対応策の検討に入った。14日以降に方針を公表する。計画停電を実施するかも含め検討中だ。

冷房需要が増える夏場には再び、計画停電が避けられない。関東圏の電力不足の長期化は避けられそうになく、企業は工場の操業度を落としたり、他地域に生産をシフトするなど対応を迫られる可能性がある。

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