避難情報ツイッターに 自治体、電話を補完 メールではデマも
東日本巨大地震で、被災自治体が避難所やライフラインなどに関する情報発信の新しい手段として、ツイッターなどインターネット上の媒体を活用する動きが広がっている。通話規制や停電で、被災者が電話やテレビなどで情報を入手するのが難しいためだ。家族や友人らの安否確認に活用する市民も多い。ただ、一部ではデマが広がるなど混乱も起きている。
岩手県は11日の地震発生直後からツイッターやフェイスブックで、避難所の場所や医療機関、給水拠点などの情報提供を開始。同県のホームページ(HP)は被災後に一時的にサーバーがダウンしたが、ツイッターでは書き込みを続けた。
同県職員は「停電が続き、電話もつながらない。情報提供で可能な手段はすべてやるしかない」と話す。
青森県もツイッターで「当面はツイッターが情報提供手段となります」と説明。HPよりも頻繁に避難場所などの情報を更新している。被害が大きかった宮城県気仙沼市も地震発生直後からツイッターを活用した。
NHKも11日夜から、スマートフォン(高機能携帯電話)でも視聴できる動画配信サイト「ユーストリーム」と「ニコニコ動画」で総合テレビのニュース配信を開始。「テレビのない被災者に多くの情報を伝えたい」(広報局)としている。
ツイッターやフェイスブックを使った情報交換も市民の間で盛んだ。ユーザーはマスコミが流した災害情報をサイト上にはり付けたり、知人の安否を尋ねたり。「節電が必要になるらしい。自分も節電する」との書き込みのほか、海外ユーザーが「みなさん、無事を祈ります」などとエールを送る内容も多い。
混乱もある。コスモ石油によると、千葉県市原市の同社製油所で起きた火災について、12日ごろから「有害物質が雨と一緒に降る。千葉県湾岸付近の方は自宅待機が望ましい」といった内容のチェーンメールが不特定多数に送信された。同社広報室は「事実と全く反する。不正確な情報に惑わされないでほしい」としている。
枝野幸男官房長官も12日の記者会見で、こうしたチェーンメールに加わらないよう国民に呼びかけた。