日経平均、終値488円高 5日ぶり反発で9000円台回復
16日の東京株式市場で日経平均株価は5営業日ぶりに大幅反発した。終値は前日比488円57銭(5.68%)高の9093円72銭と終値で9000円台を回復した。日経平均の上げ幅は2008年11月10日以来の大きさ。東日本大地震の影響を懸念した売りで前日まで大幅に下落した反動で幅広い銘柄が買い戻され全面高の展開。後場半ばに8800円台まで伸び悩んだが、大引けにかけて株価指数先物の買いに弾みが付き、現物株も買われた。きょうの上昇で週初からの下げ幅(1649円)の3割近く戻した。東証1部の売買代金は3兆1413億円と、株価指数先物・オプションの特別清算指数(SQ)に伴う売買があった日を除くと、2008年1月18日以来約3年2カ月ぶりの高水準。売買高は前日に次ぎ過去2番目だった。
トヨタやソニーなど自動車・電機の主力株が商いを伴い大きく上昇。前日までは株価下落で追い証(追加担保の差し入れ義務)の発生した個人投資家から換金売りが膨らんだが、いったんは落ち着きを取り戻したという。
ただ、福島原発の事故に対する懸念は根強い。市場では「原発問題の不透明感が薄れ、投資家の不安心理が払拭(ふっしょく)されるまでは短期の売買が中心になりそうだ」(国内証券ストラテジスト)との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)も5営業日ぶりに反発。前日に比べ6.6%上昇した。業種別株価指数は全33業種すべてが上昇した。
東証1部の売買高は49億0537万株と、前日(57億株)に次ぎ2番目の水準。値上がり銘柄は1541銘柄と、全体の9割を超えた。値下がり銘柄は121、横ばいは15。
ソフトバンク、京セラ、ファストリ、KDDIが上昇。トヨタの上げ幅は一時10%を超えた。コマツも高い。一方、セコム、アステラス、日製鋼が下落。アドテストやSUMCOなど半導体関連の一角も売られた。東電は制限値幅の下限(ストップ安水準)となる前日比300円安の921円で大引けに売買が成立。1000円を割り込むのは1983年12月以来。
東証2部株価指数は8営業日ぶりに反発した。FDK、ソディック、伊勢化、都築電が上昇した。半面、岡野バが下落した。
〔日経QUICKニュース〕