イラク最大の石油精製所停止 武装勢力が攻撃
【カイロ=花房良祐】イラクのバグダッド北方約180キロメートルのバイジにある同国最大の石油精製所が26日未明、武装勢力の攻撃を受けて炎上し、操業を停止した。AP通信によると攻撃を受けた精製所は日量15万バレルの処理能力を持ち、イラク全体の約3割を占める。石油省報道官は早期の操業再開を目指すとしているが、時期は明らかにしなかった。
精製所があるサラハディン州の知事によると、武装勢力は消音のピストルなどで警備員数人を殺害、爆弾で精製所の一部を破壊した。
イラクは製油能力の増強に向けて外資を導入するため国際競争入札を実施しているが、国内の治安維持が課題。バイジはかつて国際テロ組織アルカイダが掌握し、石油関連収入を活動の資金源としていた。イラクの石油製品は現在、国内で消費されてほとんど輸出されていないため海外供給への影響は限定的とみられる。