中東デモ、オマーンに飛び火 警官隊と衝突2人死亡
【カイロ=押野真也】チュニジアとエジプトの政変などに触発された民主化要求デモの波が、湾岸産油国のオマーンにも飛び火した。27日、政治改革などを求めるデモ隊と警官隊が衝突し、2人が死亡した。オマーンは飛び地がペルシャ湾入り口のホルムズ海峡に面しており、同国で混乱が生じれば原油相場にも影響を与えかねない。
ロイター通信によると、オマーンのデモは北部でアラビア海に面する産業都市のソハールで発生した。2000人規模のデモ隊は警官隊に投石などを繰り返し、治安部隊はデモ隊に向かってゴム弾や催涙弾を撃ち込み、死者が発生した。警察署や政府施設が炎上しているとの情報もある。
オマーンはカブース国王による王制支配が続いている。政党を認めないなど、政治活動は制限されている。産油国でもあり、原油埋蔵量は世界で24位の約55億バレル。湾岸諸国ではバーレーンでもデモによる衝突が起きており、さらなる湾岸諸国への波及が懸念される。
一方、長期独裁政権が崩壊したチュニジアでも26日にデモ隊と治安部隊が衝突し、3人が死亡し、12人が負傷。逮捕者も約100人に上った。民主化への移行が遅れているなどとして、国民の不満がくすぶっている。