富士通、通期純利益750億円に下方修正
4~12月は25%減益、1~3月は1ドル=80円想定
富士通が28日発表した2010年4~12月期決算は、連結純利益が前年同期比25%減の356億円だった。大規模集積回路(LSI)や電子部品などは伸びたが、前年の上半期に計上したファナック株の売却益で利益がかさ上げされた反動で減益となった。
売上高は3%減の3兆2438億円。円高の影響で売上高が1250億円程度目減りした。営業利益は4.4倍の684億円だった。ただ、四半期ベースでは10~12月期の営業利益は212億円と、7~9月期(371億円)から4割強減少した。携帯電話基地局の需要一巡や円高が利益を圧迫した。
11年3月期業績見通しは売上高が前期比2%減の4兆5700億円と、従来予想から1000億円下方修正した。営業利益は54%増の1450億円(従来予想は1850億円)、純利益は19%減の750億円(同950億円)に引き下げた。1~3月期の想定為替レートは1ドル=85円から80円に見直した。
記者会見した加藤和彦取締役執行役員専務は「国内IT(情報技術)投資の受注状況が昨年12月から悪化して1~3月期の業績未達リスクが高まったことや、欧州の不採算事業の損失発生リスクを織り込んだ」と説明した。〔日経QUICKニュース〕