仮設タンク2万7000トン分設置へ 福島原発の汚染水処理
5月末までに
東京電力は福島第1原子力発電所で発生している高濃度の放射性物質を含む汚染水の移送先として同原発敷地内に複数の仮設タンクを5月末までに2万7000トン分設置する。原子炉を冷やすシステムの復旧作業に着手するうえで大きな障害となっている汚染水の発生が続いているとみられ、既存の施設だけでは間に合わない。1万トンをためられるメガフロート(大型浮体式海洋構造物)は5月中旬に配備する考えだ。
東電は原子炉を冷やすために1~3号機への真水注入を続けているが、最低限の量に減らしても汚染水の発生が続いているもよう。2号機のトレンチ(坑道)から660トンをタービン建屋内の「復水器」に移したものの、いったん下がった水位は上昇し元に戻った。
汚染水が冷却システムの復旧作業の妨げになっており、東電は敷地内にある集中廃棄物処理施設への移送を目指しているが、作業は進んでいない。並行して敷地内に5月末までに複数の仮設タンクを設置する。メガフロートは修理を急ぎ、5月中旬に配備する。
一方、余震や津波の対策として、15日に非常用ディーゼル発電機1台と1~3号機の配電盤を海抜23メートルの高台に設置する。高圧電源車は2台配備する。外部電源は1、2号機用と3、4号機用があるが、いずれかが切れても片方の外部電源で4基を冷却できるようにつなぐ。
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