JR西、4月2日から運行削減 震災で部品調達困難
西日本旅客鉄道(JR西日本)は23日、4月2日から在来線の運転本数を削減すると発表した。東日本大震災の発生で取引先の工場が被災し、列車の運行に必要な部品が新たに調達できなくなったため。
4月2日から金沢、和歌山、福知山、岡山、広島の各支社の一部路線で1日あたり10~30%、京阪神地区では4月11日から同5~15%削減する。混乱を避けるため朝夕の通勤時間帯では本数を維持するが、午前10時から午後5時までの時間帯で運転率を落とす。
「こうのとり」「くろしお」といった特急列車についても編成両数を減らしたり、臨時列車の運行を取りやめたりする。JR西日本は詳細な運行計画を25日に明らかにするという。
調達できなくなったのは、モーターの回転に必要な電気を流す「直流電動機ブラシ」。素材を製造する日立化成工業の山崎事業所(茨城県日立市)が被災し、最終加工を担う浪江日立化成工業の工場(福島県浪江町)が福島第1原子力発電所の避難区域内で従業員が立ち入れない状態という。JR西日本によると同製品の国内シェアは両社で約7割を占めており、影響は他の鉄道会社にも波及しそうだ。