リビア体制派が無差別発砲 反体制派、首都に接近
【ドバイ=太田順尚】最高指導者カダフィ大佐の長期支配に対する抗議デモが続くリビアで23日、反体制派が首都トリポリの東約200キロに位置する産業都市ミスラタを制圧した。反体制派の支配地域は首都に近づいており、政権は徐々に追い詰められている。一方、政権支持者は同日、首都で無差別発砲しており、国際社会は自制を呼び掛けている。
反体制派は東部にある第2の都市ベンガジから支配地域を首都に向けて拡大している。ベンガジからは同日、住民が圧政からの解放を祝う姿が映像で流され、反体制派を後押し。今後は首都を巡る動きがカダフィ政権の命運を握る可能性がある。
AP通信によると、カダフィ氏が22日、反体制派の徹底弾圧を宣言したのに応じ、政権支持者が23日にトリポリに集結。治安部隊や外国人雇い兵などが路上で手当たり次第に発砲し、市民は屋外に出られない状態となった。
旧宗主国イタリアのフラティニ外相は同日「(デモ発生から)約1千人死亡したとの情報は確実だ」と発言。欧州を中心に政権側の無差別攻撃への非難が相次いだ。
政権からの離反は23日も続いた。カダフィ大佐の次男セイフイスラム氏の首席補佐官の辞任が判明。攻撃命令を拒否したリビアの軍艦2隻が地中海のマルタに到着したほか、空軍パイロットが戦闘機を使用不能にし、逃亡した。