イラン大統領、外相解任 原子力庁長官が暫定兼務
【ドバイ=太田順尚】イラン国営通信によると、アハマディネジャド大統領は13日、モッタキ外相を解任し、サレヒ副大統領兼原子力庁長官に暫定的に外相を兼務するよう命じた。解任の理由は明らかでないが、国会対応などをめぐる大統領と外相の路線対立が背景にあった可能性がある。
ただ、モッタキ氏の外交政策決定への関与は大きくなかったとされ、解任でイランの対外路線が大きく変わる可能性は少ないとの見方が多い。
同氏は駐日イラン大使などを経て2005年に外相に就任し、外交の顔として強硬姿勢を続けるイランの立場を国際社会に表明してきた。同氏はラリジャニ国会議長に近いとされ、大統領による外交特使の任命人事などをめぐり、大統領と国会の亀裂が深まったのが影響したとの指摘もある。
一方、サレヒ氏は国際原子力機関(IAEA)の元政府代表で、09年7月に原子力庁長官に就任。大統領と関係が近いとされる。正式に外相に就任するには、国会の承認を受ける必要がある。