みずほ銀、システム復旧週明けに ATMなど停止
未処理決済拡大の可能性も
3日連続でシステム障害が起こっているみずほ銀行の西堀利頭取は17日午後に記者会見し、システムの復旧について「時間がもう少し必要だが、週明けに正常化したい」と語った。原因は調査中だが「(東日本巨大地震後の)14日に都内一部店舗で振り込みが集中し、処理量が想定を超えた」と述べた。17日時点で未処理決済は44万件(5700億円)に拡大し、18日以降さらに膨らむ可能性もある。
西堀頭取は「商業銀行として絶対に起こしてはいけない事態を引き起こした」と述べたうえ、「当社のシステム運用の問題」と謝罪した。みずほフィナンシャルグループは2002年に旧第一勧銀、旧富士、旧興銀の3行を完全統合した際に大規模なシステム障害を起こしたことがある。
17日は午前9時の通常営業開始時から正午前まで全ATMや440店の窓口業務が休止した。障害は夜間にシステムを使って集中処理する翌日分の代金支払いが終わらなかったため、発生した。夜間の集中決済を終えると店舗営業の通常オンライン取引を稼働させる。この切り替えに時間がかかり、通常通りの開店が3日続けてできなくなったという。取引の約2割が毎日処理できない状態となっている。
17日も夜間決済が円滑に進まなければ、18日も午前9時からの窓口業務を一部制限する方針。18日は給与振り込み件数が多くなるもようで、全ての決済が終わらない恐れもある。19日からの3連休で修理を急ぎ、週明け22日以降の完全復旧を目指している。給与振り込みを大量に処理する25日を控え、早期回復が欠かせない情勢だ。
旧3行のシステムは第一勧銀が富士通、富士がIBM、興銀が日立製作所。02年はシステム統合手法の決定が遅れたことで大規模なトラブルが起こった。西堀頭取は「今もいくつかのシステム同士が絡み合っている」と述べ、設計面に課題があることも認めた。
みずほ銀の障害を受け、三菱東京UFJ銀行と三井住友銀行は延滞している企業の振り込みなど資金決済を肩代わりする検討に入った。企業からの受け入れ可能な件数を精査している。ただ受付が処理容量を超えると自行のシステムダウンにもつながりかねず、肩代わりする処理件数については銀行間で慎重に調整を進めるもようだ。
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