愛知の鳥インフル、15万羽殺処分始まる
愛知県豊橋市の採卵農場で、高病原性鳥インフルエンザへの感染が確認され、発生農場では27日朝から約15万羽の鶏の殺処分が始まった。半径10キロメートルの移動制限区域の境界線では国道などに消毒ポイントが設置され、県や市は感染の拡大防止に全力を挙げている。検査結果をめぐり、県が27日未明にいったん「陰性」だったと発表し、その後「陽性」と判定を改める混乱もあった。
鳥インフルエンザが発生した豊橋市の採卵農場では27日午前9時ごろから、殺処分された鶏を屋外に搬出する作業が始まった。
鶏舎周辺の道路は白い防護服を着た警察官と豊橋市職員が封鎖。鶏舎では、愛知県の職員が袋に詰められた鶏を建物の2階部分からフォークリフトを使って外に次々と搬出した。
一方、愛知県は27日未明、遺伝子検査の結果を「陰性」だったと発表。数時間後に同じ検査結果の評価を変更、「陽性」と判定した。ウイルスの遺伝子を増加させ、感染の有無を見極める「リアルタイムPCR法」と呼ばれる検査方法を採用したが、増加が鈍かったことからいったん陰性とした。その後農林水産省と協議し陽性と改めた。
県は「専門家の意見を踏まえ、死んだ鶏の数などを考慮に入れて、総合的に判断した」と説明している。