「がれきに埋もれた」語学学校教員がメール NZ地震
富山の学校23人被災
ニュージーランド南島のクライストチャーチ市で22日起きた地震は、美しい街並みをがれきの山に変え、語学を学ぶ日本の若者らを巻き込んだ。倒壊した建物に閉じ込められた人もおり、懸命の救出活動が続く。「状況がわからない」。邦人の被災情報が相次ぐ中、日本では学校関係者らが深夜まで現地との連絡に当たり、保護者らが無事を祈った。
「がれきに埋もれている」。語学研修中に被災した富山市立富山外国語専門学校の生徒ら。崩れた建物から日本に「SOS」を伝えたのは引率教員のメールだった。
富山市役所で記者会見した吉田久夫校長らによると、一報が入ったのは午前10時20分ごろ。教員の亀遊(きゆう)知子さん(43)から家族に「昼食中に学校が崩れ、がれきに埋もれた。周りに生徒が確認できるが、真っ暗のため詳しい状況は分からない」とのメールが入った。
巻き込まれたのは1年生20人と2年生1人の生徒と教員2人。生徒の大半は19~22歳で、61歳と62歳の女性も含まれる。
現場は同中心街にある6階建て。生徒は語学学校キングス・エデュケーションの4階カフェテリアで昼食中だった。
吉田校長は「生徒たちは電気もない暗い場所にいる。詳しい状況は分からない」と悲痛な表情で話した。
一行は17日に富山県を出発。ニュージーランドでホームステイなどをしながら英語の研修を受け、3月13日に帰国予定だった。
亀遊さんら教員2人と生徒9人は22日夜までに救助。8人が手や脚を骨折するなどのけがをした。19~22歳の生徒11人と連絡が取れず、男子学生(19)が崩れた建物に取り残されたままだ。
一方、富山市中心部のビルに入る専門学校には連絡を受けた保護者が駆け付けた。「うちの子は……」。保護者の女性は携帯電話で「連絡が取れない。いてもたってもいられない」と不安をあらわにし、別の男女は目を赤くして、険しい表情のまま部屋を後にした。
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京都外国語専門学校(京都市)もキングス・エデュケーションに留学中の女性(23)の安否が分からなくなっていると明らかにした。女性は在学中の2009年10月ごろから留学。昨年9月に専門学校を中退した後も留学を続けているという。
海外留学あっせん会社のマドレ・インターナショナル海外留学(京都市)によると、キングス・エデュケーションに留学する神戸市の女性(41)と盛岡市の女性(37)と連絡が取れていない。2人は看護師という。