豪快な鶏肉料理「山賊焼」 塩尻・松本の飲食店が全国区目指す
中信で生まれた鶏肉料理「山賊焼」を域外にもアピール――。塩尻、松本両市の飲食店などでつくる「山賊焼を考える会」が本格的な活動に乗り出した。塩尻、松本で「山賊焼の日」をそれぞれ定めて今年、初のイベントや企画を実施した。各地のご当地グルメが人気を集めるだけに、「全国区のブランドを目指したい」と意気が上がる。
「3(さん)ぞく8(や)き」の語呂合わせで塩尻山賊焼の日に定めた3月8日。記念イベントが開かれた塩尻市民交流センター「えんぱーく」では順番待ちの列が途切れることはなかった。山賊焼を出す市内の飲食店24店のうち16店が参加。揚げたての山賊焼のほか、ピザや太巻きなどアレンジ品を持ち寄った。
「店ごとに味が違って面白い」と高齢の男性。塩尻名産のワインなど飲み物との相性を調べるコンテストも行われ、若い女性は「意外にワインと合う」と納得の表情だ。来場者は500人を超え、中には開始1時間ほどで品切れになる店も。考える会のメンバーで、準備に当たった塩尻市ブランド推進室の担当者は「これで市内の店の認知度が上がる」と喜んだ。
翌日は松本山賊焼の日。「3(さん)ぞ9(く)」の語呂合わせだ。大々的なイベントはなかったが、市内各店が山賊焼を注文した客に「季節の一品」「ドリンク1杯」などをサービスした。
ご当地グルメに活性化を託そうとする地域が急増している。ただ全国的な人気を得るのは簡単ではない。考える会の知恵袋、松本大学総合経営学部の白戸洋教授は「地産地消の観点からは地元産の肉を使いたい」と話す。山賊焼を出す店がある安曇野市や山形村と連携するなど「松本平全体の名物」として売り込むことも有効だろう。