消費税率「中期的に20%必要」 OECDが対日報告書
経済協力開発機構(OECD)は21日、日本の経済政策に対する提言をまとめた対日審査報告書を発表した。東日本大震災の復興費用について「歳出の組み替えや、歳入の短期的な増加で賄うことが必要」と指摘。増え続ける公的債務の問題や社会保障の財源確保の必要性に触れたうえで、中期的に「消費税率は20%相当までの引き上げを求められるかもしれない」と強調した。
震災の経済への影響については「短期的に下押しされるが、その後は復興に向けた投資が見込まれ、低迷が長期化する可能性は低い」と分析。一方で日銀に対し「長期国債の購入拡大など、さらなる措置の準備をすべきだ」と求め、経済の見通しが悪化した場合には、追加的な金融緩和策が必要との認識を示した。
財政に関しては、復興費用の財源確保と同時に「詳細な中期の財政健全化計画を示すことが重要」と指摘。特に社会保障関連支出の抑制策と、増税のスケジュールを一体的に示すべきだと強調した。増税の時期は「できる限り早く始めるべき」とし、11年度中に税制改革の詳細を公表するよう求めた。