セールスフォース、ソフト開発支援のヘロクを買収
【シリコンバレー=奥平和行】インターネットを通じて各種ソフトウエアの機能を提供するクラウドコンピューティング大手の米セールスフォース・ドットコムは8日、プログラミング言語「ルビー」を使ったアプリケーションソフト開発支援を手掛ける米ヘロク(カリフォルニア州)を買収すると発表した。買収額は2億1200万ドル(約178億円)で2011年1月末までに手続きを完了する。
ルビーは日本発のプログラミング言語。ほかの言語より少ない記述量で同じ内容のプログラムを書くことができ、ソフト開発の生産性を高められるため、世界的に利用が拡大している。
買収額はセールスフォースの買収案件としては過去最大。既存株主に現金を支払う。セールスフォースはヘロクを傘下に収め、インターネット関連企業等がルビーを活用したソフトを開発しやすい環境を提供して事業拡大につなげる。11年には別のプログラミング言語、Javaを使ったソフト開発・運用支援も始める。
セールスフォースはクラウドコンピューティングの大手で、顧客情報管理(CRM)ソフトの提供などが主力。近年は顧客企業の要求に応え、ソフトの開発基盤や開発したソフトをクラウドを通じて提供する事業を拡大している。こうしたサービスによりネット企業等はソフトを開発するためのソフトや運用のためのインフラを持たなくてもすむようになる。