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水道水の放射性物質、東京都「数日で数値下がるのでは」

(更新)
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福島第1原子力発電所の事故を受け、東京都の調査で23日、浄水場の水道水から乳児向け基準を上回る放射性物質が検出された。都は「雨で放射性物質が河川に流れ込んだ可能性がある」と指摘。実際に蛇口から出る水道水の数値は検査結果よりも下がる地域もあるとみられ、都は「数値は数日でいったん落ち着くのではないか」として冷静な対応を求めている。

石原慎太郎都知事も同日午後、記者会見で「今後も継続して水の検査結果を公表していくので、水の使い方を冷静に行ってほしい」と呼びかけた。

都は21日に関東地方で久しぶりに雨が降ったことを受けて水道水の調査を決定。22日午前9時、江戸川から取水する金町(葛飾区)、荒川の朝霞(埼玉県朝霞市)、多摩川の小作(東京都羽村市)の3浄水場で採水し、放射能測定をおこなった。

この結果、金町の水から、乳児の飲用に関する暫定的な指標値を上回る濃度の放射性ヨウ素を検出。江戸川から取水する金町、三郷(埼玉県三郷市)の両浄水場から配水している地域について、乳児の水道水の摂取を控えるよう呼びかけた。

都の水道の水源は、利根川支流の江戸川、荒川、多摩川の3つに大別され、取水後に11カ所の浄水場などで処理し、一般家庭などに配水する。1つの浄水場でトラブルが生じても給水が途絶えないよう、複数の浄水場の水を混合して配水するシステムを採用。このため、対象は町田市や多摩市などにまで広がった。

23日に金町浄水場で採取した水についても、基準を超える濃度の放射性ヨウ素が190ベクレル測定されたが、22日の数値210ベクレルを下回った。実際に家庭の蛇口から出る水では、他の浄水場の水と混合され、地域によっては浄水場の数値よりも下がるとみられる。

江戸川は利根川から分かれた河川。都水道局浄水課は「久しぶりに雨が降り大気中などの放射性物質が河川に流れ込み、一時的に数値が上昇した可能性がある」と指摘。「雨水が海に流れ出るに伴い、数日の間に数値はいったん落ち着くのではないか」とみている。

都は23日夜、防災用に備蓄している飲料水550ミリリットル入りのペットボトル24万本を、乳児1人当たり3本、都内の乳児約8万人の家庭に提供すると発表した。ペットボトルは、乳児の水道摂取を避けるよう呼びかけている対象市区の役所へ24日朝から搬送する。

細川律夫厚生労働相は23日、スーパーなどでミネラルウオーターが買い占められていることについて「乳児に優先的に渡るようお願いしたい」と要請した。農林水産省も同日、飲料メーカーなどでつくる全国清涼飲料工業会と日本ミネラルウォーター協会にミネラルウオーターの増産を要請した。

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