震災で社債発行に混乱 全日空は300億円延期検討
11日に発生した東日本巨大地震に伴う金融市場の混乱で、社債の発行計画を取りやめたり延期を検討したりする企業が相次いでいる。全日本空輸が4月発行予定の個人投資家向け社債の発行延期を検討しているほか、ニチアスも3月中の普通社債発行を見送る。地震による設備投資の見直しで、企業の資金需要が減る可能性もある。
全日空は4月1日に個人向け社債を300億円発行する計画だった。巨大地震後の投資家の投資意欲が見極めにくく、起債見送りを検討する。新型航空機の大量導入など資金需要が増え、既発債の借り換えに充てる予定だった。発行を先送りしても、銀行借り入れなどで資金繰りに影響は生じない見通しだ。
ニチアスは3月末に計画していた50億円の社債発行を延期する。事業所の改修など4月以降の設備投資費用に充てる予定だったが、地震の影響で設備投資計画自体が流動的になった。日本ユニシスも検討していた期間5年の100億円規模の普通社債について、3月中の起債を見送る。