エジプト、デモ隊と当局衝突 夜間外出禁止令
エルバラダイ氏は自宅軟禁か
【カイロ=花房良祐】エジプトで28日、ムバラク大統領の退陣を要求するデモが各地で発生した。デモは4日連続。全国で数万人が参加し、最大規模となったもよう。治安当局と衝突し、軍も出動した。政府はカイロなど都市部に夜間外出禁止令を発令した。AP通信によると、民主化を訴えているエルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長は自宅軟禁されている。
反体制派はインターネット上で「怒りの金曜日」と名付け、大規模デモを呼びかけていた。チュニジアの独裁政権がデモで崩壊したことに触発され、エジプトでも格差拡大や若年層の失業など長期政権への不満が噴出した。
デモにはカイロのほか、アレクサンドリアなどでそれぞれ数千人が参加。投石や警察署への放火など一部は暴徒化した。治安当局はゴム弾や催涙ガスで鎮圧しており、多数のけが人が出ている。ロイター通信は1人が死亡したとの目撃情報を伝えた。
一連のデモは25日から始まり、AFP通信によると27日までに7人が死亡、100人以上が負傷。千人以上が拘束された。