震災で手元資金厚めに 現金5年ぶり高い伸び
2.9%増、3月のマネーストック
日銀が12日に発表した3月のマネーストック(旧マネーサプライ・通貨供給量)で、代表的な指標の一つであるM3(現金、要求払い預金、定期預金、譲渡性預金など)の平均残高は前年同月比2.0%増の1086兆5000億円だった。伸び率が2%を上回るのは4カ月ぶり。東日本大震災を受け、企業や個人が流動性の高い現預金を厚めに確保する動きが出た。
内訳をみると、現金通貨は2.9%増加。預金通貨も4.4%増と、それぞれ約5年ぶり高水準となった。一方、定期預金などの「準通貨」は0.3%減少。企業が積み増した譲渡性預金(CD)も9.9%増と、増加幅は前月(18.0%)を大幅に下回った。
同時に発表した2010年度のM3は前年度と同じ2.0%増。震災の影響に加え、企業や個人が投資や出費に備え、手元に資金を抱え込む傾向が続いているため、預金が増えている。