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グーグルのシュミット氏が語るアンドロイドの成功

ジャーナリスト 石川 温

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米グーグルのトップを10年間務めたエリック・シュミット会長兼最高経営責任者(CEO)が4月4日付で会長専任となり、共同創業者のラリー・ペイジ氏が新CEOに就任する。そのシュミット氏と、スマートフォン向け基本ソフト(OS)「Android(アンドロイド)」事業を担当するエンジニアリング担当副社長のアンディ・ルービン氏が、2月にスペインで開催された展示会「Mobile World Congress(MWC)2011」でグループインタビューに応じた。グーグルのモバイル事業についての質問に、2人はどう答えたのか。

ノキアにはアンドロイドを選んでほしかった

――ノキア(フィンランド)が2月11日にスマートフォンの主要なプラットフォームとしてマイクロソフトの「Windows Phone7」を採用すると発表した。グーグルもノキアと交渉していたのか。

シュミット氏:確かに交渉を重ねていた。しかし、交渉の詳細については触れたくない。ノキアにとって公平ではないだろう。グーグルの立場から言うと、ノキアとはかなり広範囲にわたって話し合ったつもりだ。ノキアはアンドロイドをよく理解している。アンディ(・ルービン)も私も、そしてほかの取締役たちも、ノキアと話し合いの時間を持った。彼らのことは好きだし、アンドロイドを選んでくれていれば本当にうれしかった。今でも、将来いつかまたアンドロイドに戻ってきてくれることを望んでいる。

――グーグルがアンドロイド事業を手がけてから数年が経過した。ここから得られたメリットは何か。

シュミット氏:(アンドロイド)プラットフォームが成功したことでグーグルは巨額の利益を得た。利益は広告システムから上がっている。昨年アンディが私に話した素晴らしい秘密の1つは、アンドロイド搭載端末からの検索数がほかの(端末の)2倍近くあるということだった。アンドロイドからの検索が簡単なのがその理由だ。アンドロイドは素晴らしいプラットフォームだ。投資の何倍もの利益を生み出し続けている。神の声が「もうやめろ」と言うくらいにね。

年内にもNFCの新サービス

――グーグルが自ら販売する「Nexus S」や韓国サムスン電子の新製品「GALAXY SII」は、近距離無線通信規格のNFCチップを搭載している。グーグルがNFCを使った事業を手がける予定はあるのか。

シュミット氏:もちろんだ。NFCチップを搭載した端末向けに、様々なサービスを提供できる可能性がある。我々はこれにかなり興味を持っている。広告主からサービス提案と結びついた広告が求められれば、その分野にも力を入れたい。ただし、決済システムに参入するつもりはない。例えば店頭で端末をタッチして代金を支払うといったターミナルシステムなどは、グーグルの専門分野ではない。

クレジット決済やデビットカードの実務を熟知したカード会社がNFCチップを好むのは、不正の可能性を引き下げられるからだ。不正が少なければ、システムの改良や新しいチップを使ったPOS(販売時点情報管理)システムの整備に資金を振り向けられる。これがエコシステムだ。アンディは、素晴らしいものを作り出してくれた。グーグルの新サービスは年内にも実現できるだろう。とても楽しみにしている。

――今年中に新サービスが登場するということか。

シュミット氏:何らかの形でという意味だ。今になってようやくNFCチップの可能性に気づき始めた人がいることには、正直驚いている。すで成功を収めたアンドロイドの最新バージョンにNFCチップを搭載したことで、アンディはまた他社を出し抜いたわけだ。

私が知る限り、グーグルをプラットフォームのリーディング企業に押し上げた第一人者はアンディだ。とにかくこの状況はうれしい。もちろん、グーグルのほかにもこの分野でプラットフォームをリードする企業はあるが。

――NFCのどんな点に期待しているのか。

シュミット氏:こうした技術は長い間存在していたが、それは「夢想家」たちが小さく活動しているだけの世界にすぎなかった。ごくたまに2つか3つが統合される程度だった。

しかし、世界的にスマートフォンが一大勢力となり、NFC関連サービスを非現実的と見てきた人たちも、クレジットカード以上のことができるのではないかと気付き始めた。NFCはクレジットカードの代替としても使えるが、もっと大事なのは人間の生活や経済活動を便利にするエコシステムを構築することだ。

これはアンディの発見であり、それを見つけ出すためにアンディをサポートしてきたニューヨークの作業チームの功績だ。ある日、オフィスで彼らの説明を聞いたとき、思わず「すごい!」と言ってしまった。それほど画期的なアイデアだった。NFC自体はずっと前から存在していたが、スマートフォンによって新しいエコシステムが実現するだろう。

Nexusシリーズの本質は「オープンソース」

――昨年グーグルは「Nexus One」で、スマートフォンのネット直販に挑戦した。振り返って、どんな感想を持っているか。

ルービン氏:ご存じの通り、Nexus Oneでは携帯電話の新しい流通手法を試した。その結果、デジタルカメラをオンラインで買えるように電話もオンラインで買えるという結論に達した。売り上げも試算を大きく上回った。そこで我々は実験的試みを止め、(昨年末に発売した)Nexus Sは既存の販売ルートに乗せることにした。

――Nexus One、Nexus Sの意味を改めて教えてほしい。

ルービン氏:Nexusシリーズを市場に投入するとき、我々は「グーグルの純正品」という言葉で説明してきた。しかし、端末は我々のパートナーが製造したもので、我々はハードウエアビジネスに参入してはいない。

グーグルの純正品とは、それがオープンソースであるという意味だ。パートナーは、オープンソースの上にユーザーインターフェースを工夫することで独自性を出していく。それが米モトローラ・モビリティでは「Motoblur」であるし、台湾HTCなら「HTC Sence」、ソニー・エリクソンなら「Timescape」だ。我々はベースのプラットフォームとして、オープンソースなかたちで提供している。

シュミット氏:この点については何年も議論を重ねてきた。アンディが言いたいのは、これがオープン化によるメリットの一例だということだ。すべての人がベースのプラットフォームを手に入れて、そこから付加価値を高めていくことができる。どれを選ぶかは消費者に委ねられる。

ルービン氏:つまり、部屋を技術者でいっぱいにして好き勝手にOSをいじらせ、いろいろなアプリケーションソフトを垂れ流しにするやり方ではだめだと思っている。ハードウエア製品も外に出して公開する必要がある。頭の中で考えるだけではなく、実際にいい製品を作ろうと努力することが大切だ。我々は汎用OSを作っているのではない。

アンドロイドの下で進む端末の差異化

――アンドロイドは急速に普及する一方で、スマートフォンのコモディティー(日用品)化を招いているのではないか。どれも中身は一緒という状況になりつつあるようにも思えるが。

ルービン氏:それは違うと思う。ソニー・エリクソンがMWCで発表した(「プレイステーション」のゲームを楽しめる)「Xperia PLAY(エクスペリア・プレイ)」のように、アンドロイドは多様化が進んでいる。電話機がゲーム機になるなんて、これまでなかったことだ。

――スマートフォンがコモディティー化することで、劇的な価格競争が起きるのではないか。それによりメーカーの利益が損なわれる恐れはないか。

ルービン氏:その質問はまったく受け入れられない。今のところ、(スマートフォンの)価格弾力性はそう大きくないとみている。アンドロイドが導入された初期から今までを見ても、利益はほとんど変わっていない。これはよいことだと思う。

――スマートフォンの購入を迷っている人に、アンドロイドが米アップルの「iPhone」より優れている点を理解してもらうとしたら、どう説明するか。

ルービン氏:迷っているのが誰でも、www.google.com/phone/にアクセスするように言う。そこなら145種類あるアンドロイドスマートフォンをすべて見ることができ、すべての仕様を端から端まで比較できる。それで、おのずと答えは出るだろう。ここ以外に、同じプラットフォームで競合するスマートフォンを145種類も見比べられるところはないと思う。

シュミット氏:このサイトにはデザインやキーボードの有無、サービスプランなど、考えうる限りの選択肢があって、すべての端末を比較できる。これが(アンドロイドスマートフォンの)一番の魅力だ。

〈筆者プロフィル〉 石川温(いしかわ・つつむ) 月刊誌「日経Trendy」編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。近著に「グーグルvsアップル ケータイ世界大戦」(技術評論社)など。ツイッターアカウントはhttp://twitter.com/iskw226

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